2010年7月アーカイブ

今回のサイエンス・ラボラトリー(以下、ラボ)の記事は、高校生対象に行なったものを取り上げてみようかと思います。

高校生対象のラボは「受験対策」つまり、受験で役立つ理科実験をテーマに、夏期・冬期の4回にわたって行われます。

 

高校生にとっては1回目となるので、今回のラボは、

①ラボの流れについて

②レポートの書き方

③実験

という流れで進められていきました。

 

まず、①のラボの流れについてですが、これは中学生のラボと同じように「仮説→実験→考察」の流れを大切に、ただ実験を行なうのではなく、仮説をたてどうしてそうなるのかを探究していきます。

 

そして、②のレポートの書き方についてです。サイエンスラボでレポートを重視していることは以前お話しましたが、これは以下の理由からです。

 

大学では「問題集」の問題が出されることはなく、

この問題について

「何枚分のレポートを書きなさい」や、

「何千字でまとめなさい」

という課題が理系・文系を問わず出されます。

よって、サイエンス・ラボをとおして大学に行ってからも通用するレポート作成の技術を身につけるためです。

 

また実験レポートをまとめることにより、実験の復習にもなり、新たな発見が生まれたり考察力がつくなど利点も沢山あります。

 

もちろん授業なので何らかの試験もしくは課題を行なわなくてはなりませんから、それがレポートとなっているともいえます。

 

レポートの記入内容は、

 

①表紙 ②目的 ③原理 ④実験方法 ⑤実験結果 ⑥考察 ⑦参考文献

 

と簡単に書いても7項目は最低でも記入します。

 

生徒によっては8枚以上のレポートを作成してくる人もいます。

 

それでは③の実験についてです。

 

今回の内容について、ご紹介します。

 

タイトルは《mol(モル)はこわくない》です。

 

4年生が受講生だったため、化学における基本の単位mol(モル)について様々なことを考えてみました。その後、化学反応式が本当にすべてを物語っているのかということを実験にて検証しました。

 

さて、問題です。

お米1袋(10kg)には何粒のお米が入っているでしょうか。

 

皆さんは果てしない数を数えなさいといわれたときにどのように数えるでしょうか。

 

お米1袋を開けて一粒一粒数えてみようという人はあまりいないでしょう。

 

きっと、百粒のお米の重さを量って、10kgになるにはそれの何倍か。もしくは体積をはかって粒数を求めたりするでしょう。

 

このように莫大な量を量る場合は何かそれに合わせた単位があると便利です。

 

お米であれば、1俵などですよね。

 

molもおなじで、《莫大な原子や分子を図る際に使う便利な量を表す単位なのです》

 

物質の量を表すには、質量(g、㎏)や体積(cm、m)を使います。

 

化学の世界では、

 

粒と粒の反応を議論していくために、原子や分子の粒が何粒(個)あるのかを考える必要があります。

そのために粒専用の単位、mol(モル)が生まれました。

 

実際にイメージしてみましょう。

1molと書かれた粒を1mol分すくうことができるお茶碗があるとします。

そこには、約600000000000000000000000個(0が23個!)の粒が入っています。

つまり1molとは6×1023個のことをいいます。

 

molはとても便利で、どの物質かによって質量(物質の重さ)や気体の体積も知ることができます。

このmolに似た単位が12を意味するダースという単位で

 

鉛筆1ダースは12本

  2ダースは12×2本

  3ダースは12×3本

ですよね。

チョコレートも12粒入ったものがありますよね。

 

《1molを計算してみよう!》

 

それでは身近な具体例でmolの莫大さを考えて見ましょう。

 

私達人類が、1molの米粒を食べるとしたら何年で完食できるでしょうか。

(一人当たりとっても大食いで一杯500粒はいったどんぶり茶わんを朝・昼・晩と50杯ずつ食べるとします!)

①10年

②100年

③1000年

④1000年以上

 

答えは、④番の1000年以上です

 

簡単に計算してみると約3000万年以上かかります。

 

ものすごい量ですね。1mol

 

もう一つ、1円玉を例にだしてmolを考えると27枚(27g)用意したとき

 

そこにはアルミニウムの原子が約6×1023粒あるということになります。

 

これで、粒数の関係が分かりましたね。

 

実験では様々な身近な物質

 

《砂糖、塩、炭素、水、エタノール…》

 

1molをはかりとって1molを目で見て確かめました。

 

molの莫大さを知ってから実際に実験をすることで、そこにふくまれる気の遠くなるほどの粒たちが見えてきて、今までとは違った視点が生まれたようです。