2010年6月アーカイブ

今回のサイエンス・ラボは、1年生が学習習慣強化プログラム合宿期間中ということで、2・3年生のみで実施しました。

 

既に、1年間または2年間ラボを受講した2・3年生のみということで、今回は、ちょっと高度な実験を行いました。

 

さて、質問です。

みなさんは、「一滴」をどうはかりますか?

 

もちろん理科の実験ですから、ラボでは下のような質問が出されました。

 

パスツールピペット(細い管で出来たもの)の一滴を、あなたならどのようにして何mlとはかりますか?

 

0.1ml(1/10ml)

0.01ml(1/100ml)

0.001ml(1/1000ml)

 

答えは分かりましたか?

 

答えは、0.03ml程度です。その為ため、②が近いということになります。

 

どのように0.03mlをはかったのでしょうか?

 

もちろんメスシリンダーの様なものに1滴入れてもわかりません。(目盛に達しないため)

 

そのため、1mlになるまでに何滴使用したか?をはかることで1滴あたりの量を求めました。ある生徒は33滴使用したため1(ml)÷33()0.03mlと答を出していました。

 

化学では物質一粒をはかるために、多くの量をはかっておいてから一粒を割り出すということをします。

 

10kgのお米袋には約何粒のお米が入っているのかも、この考え方で大体のお米粒の数をはかることが出来そうですね。

 

これを踏まえて以下の実験を行いました。

 

塩酸(pH=1)・水酸化ナトリウム(pH=13)一滴を薄めて、pH=2, 3, 4, 5, 9, 10, 11, 12 (10倍 100倍 1000倍 10000倍に薄めたもの)溶液をそれぞれ作りました。(pHとは酸性やアルカリ性を表す指標で7は中性で、1に近ければ酸性、13に近ければアルカリ性になります。)

 

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 DSC_6823 

そして、作った溶液を万能指示薬(pHのちがいで様々な色になる溶液)で評価しました。

 

DSC_6945 
  

 DSC_6953

様々なpHの溶液を作製したため、色とりどりの溶液が出来ました。

 

ここで、また質問です。

ppmとは何でしょうか?

①単位(gなど)

②割合(%など)

③ユニット名(AKB48など)

 

分かりましたか?

ppm(Parts per Million)とは、単位ではなく、「パーツ・パー・ミリオン」の略です。

1000000分の1(割合)のことを言います。

みなさんは知っていましたか?

水質検査など微量の物質の量を表すときに使われます。

 

例えるなら、1000000g中のに1g入っていれば、1ppmなのです。

 

では、水1000g(1ℓ中)に何g入っていたら1ppmなのでしょうか?

考えてみてください。

 

さて、COD(化学的酸素要求量)とは何か知っていますか?

 

これは、水中の汚濁物質(主に有機物)を酸化剤を使い、30分間で分解するときに消費される酸素の量で、

Chemical Oxygen Demandの略です。

この値が大きければ大きいほど有機物がたくさん水中にあることになるので、水は汚れているのです。

 

以前SPPで行ったホタルの生息している福島県の鮫川村などのきれいな水は通常、約7mg/l10ppmの酸素が含まれています。

 

この水中に有機物(ごみや食べ物のかすなど)が含まれていると、水中の酸素が使われてしまいます。

すると、どのようなことがおこるでしょうか!

 

なんと、酸素がないために水中の生物が呼吸できなくなってしまうんです!!

つまり、魚が住めなくなると、今、小野学園で自生させているホタルもいなくなってしまうのです!

 

では、魚が住めるのはどんな水でしょうか?

 

COD(汚れ物質)の量が水1ℓ中(1000000mg

500ml以下

50ml以下

5ml以下

どれだと思いますか?

 

答えは、③の5ml以下です。少しの汚れで魚や生物は生息できなくなってしまうのです。

 

では、もしも、お醤油などの汚れのもとを川などに流してしまったら、もとの環境に戻すためにはどのくらいの水が必要なのでしょう。

 

お醤油を10mℓを流してしまったら!?

 

実験でお醤油のCODを測定しました。

そのままでは濃すぎてパックテストは使用できないため、薄めたものでCODを測定します。

①まず、しょうゆ5m(ホールピペット)を、メスシリンダーを使って1000mlにしました。(200倍)

 

5mℓ(ホール)とって400m(メスシリンダー)で希釈します。(80倍)

 

その溶液をパックテストしてみると6ppmということがわかりました。

 

つまり最初の200×8016000倍希釈で6ppmですので

 

もとのお醤油は6×16000=96000ppmなのです。魚がすむことが出来る環境の5ppmには程遠いですね。

 

↓実験風景

 

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パックテストで検査して、もとの醤油がいくつなのかを割り出します。

 

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最後に、まとめです!

①小さい量をはかるにはたくさん集めればよい

ppm100万分の1の比率

CODは有機物が消費する酸素の量である

CODが高いものを川や海に流すと魚は大変なことになってしまう  

 

というまとめで今回のサイエンスラボは締めくくられました。

 

バーベキューや夏の海に行ったとき少しでもこのことを思い出して、ごみは持ち帰ってくれたらなという願いをこめて行なわれました。読者の皆様もこのブログを読んで少しでも気をつけていただけたら…と思っています。

生徒たちの、レポートの中にも環境問題を考えた考察が何点かありました。

このように、サイエンス・ラボでは、身近な問題を考えさせるような実験も実施しています。

今年のブログは参加型を意識していますが、皆さんいかがでしたか?