2010年5月アーカイブ

 
5/10のサイエンスラボでは、平成22年度理科実験入試の第2部のテーマを扱いました。

 

まず初めに、次の画像を見てください。

 

 

図1

図2

                                                                   

これらのものに共通しているものは、何でしょうか?

特に2つ目の画像は、理科実験的なものです。

キッチンにある調味料から、水を抜いた(脱水した)ものです。

 

続いて、次の2枚を見てください。

                                           

図3
                             

 図4

これは、何でしょうか?

 

という問いかけから、今回のサイエンスラボは始まりました。

実は、これら2つのものを、ラボで作るというのです。

 

1つ目は分かりましたか?

 

答えは、

 

砂糖です。

ちなみに、角砂糖を作るのがミッションです。

 

2つ目は分かりましたか?

 

答えは、

 

コーヒーです。

コーヒー豆からコーヒーを入れるのがミッションです。

 

 DSC_6665
 
生徒たちは、フリップに予想を書いています。

 

与えられた器具、材料は以下のとおりです。

もちろん、ヒントはありません。

これらの中から、必要な器具を使って、生徒たちはミッションを遂行しました。

皆さんも考えてみてください。

どうやって作るのでしょうか?

 

<器具>

100mlビーカー 2個  200mlビーカー 2個  

・ろうと  ・ろうと台  ・ろ紙  ・薬包紙  

・茶こし  ・アルミホイル  ・ガスバーナー 

・三脚  ・蒸発皿  ・薬さじ  ・乳鉢  

乳棒  ・軍手  ・アクリル製の型 ・金網 

・ドライヤー  ・乾燥機(名前を明記すこと)  

・ガラス棒  ・シャーレ  ・駒込ピペット 

油性マジック

<材料>

・コーヒー豆5gパック  ・純水  ・熱湯  

・白砂糖(ショ糖)   ・片栗粉  

 

では、作り方を紹介します!

 

《角砂糖の作り方》

 

白砂糖を少量のお湯(熱湯)で溶かし、ガスバーナーで熱することにより濃い砂糖水(ガムシロップ)を作製します

→できるかぎり砂糖を溶かした液体です

 

DSC_6674 
  

②①の砂糖水を白砂糖の中に適量(少量)入れ、よく混合します

 DSC_6735 
※これについては、終わりの《砂糖について》もご覧ください

 

③②でできた砂糖をアクリルケースに入れ、成型・圧縮します

 DSC_6690 
※乾燥させるときのポイント

上の写真を見てください。砂糖が丸いですね。これは、成型した砂糖を茶こしにいれることで、風を四方八方からあてて乾燥時間を短縮させたからです

 

④さいころ型の砂糖を取り出します

 DSC_6712 
  
DSC_6681

 

 

⑤ドライヤーを用いて砂糖の水分を蒸発させます

 DSC_6734 

 

 

《コーヒーの作り方》 

 

コーヒー豆を乳鉢・乳棒で細かくすりつぶします

 DSC_6702

 

すりつぶしたコーヒー豆を、ろうと、ろうと台を使ってろ過し、ろ紙の中のコーヒー豆の成分をお湯の中に溶かし込みます

→これを「抽出」と言います

DSC_6706   

※液体の中にコーヒー豆の中の成分(カフェイン・アミノ酸・タンパク質・脂質など)がとけこんだことによりコーヒーのエキスの抽出ができます

 

DSC_6726

奥の生徒は、ろ紙ではなく茶こしで抽出しています

茶こしにお湯を注ぐと細かい粉は下に落ちてしまいます

やってみて、これは失敗だと生徒は気づくわけです

このように、失敗、試行錯誤を重ねていきます

 

                 

これらの作り方は、実際の入試問題では、下のような問いかけに対する答えとなっています

 

問1 あなたが行なったコーヒーと角砂糖のつくり方を、工夫した点も合わせて説明してください

 

また、今回のサイエンス・ラボのレポートでも、この問に答える形で考察していくようになっています。考察のヒントとして、以下のような確認を行って、ラボは終えました。

 

原理について

《砂糖》
①砂糖とは・・・?(化学的に構造を考える、植物的にどのようにつくるのか考える)
②角砂糖はどのようにしてできるか?(工業的にどのようにつくっているのかを考える)

 

《コーヒー》
①コーヒーの木は、どうすれば豆になるのか?(植物的に考える)
②コーヒー豆を粉砕する理由は?
③抽出(ちゅうしゅつ)とは何か?

 

以下、よかったら皆さんも考えてみてください!

 

理科実験入試の他の問です

 

《コーヒーについて》 

問 コーヒー豆のままでお湯を注ぐとどのようなことが起こるでしょうか。また、それ

  はどうしてでしょうか(植物の性質も考慮して答えてください)

 

①コーヒー豆(焙煎豆)にお湯を注いでもお湯に変化(コーヒーの成分が抽出されない)は起こりません

※コーヒーの木はアカネ科の常緑潅木で、2m程になると硬い実の内側に1〜2粒の種子をもちます。これがコーヒー豆となります。この種子は緑または青緑色をしており、薄い膜に包まれています。

植物の種子は全て次世代(子孫)を残すために、外側を厚い種皮で覆うことにより内部が保護され、中の成分が出ないようにつくられています。コーヒーの種子を焙煎しても、中身は保護されています。よって、コーヒー豆そのものをお湯に入れてもコーヒーの成分は抽出されないのだと考えられます

    お湯を注いだときに豆はお湯に浮きます

※豆のままだとお湯の上に浮いてしまうのは、お湯よりもコーヒー豆のほうがスカスカ

 な(密度が小さい)ためだと考えられます

 

問 お湯を注ぐ前とお湯を注いだあとでは、コーヒー豆の重さはどう変わるでしょう

  か。またそれはどうしてだと考えられますか。(「注いだあと」は水分を蒸発させ

  たあとで重さをはかるものとします)

①お湯を注いだあとは注ぐ前の粉に比べて軽くなると考えられます

②コーヒー豆の種皮の中の成分(タンパク質・脂質・カフェイン等)が熱湯にとけこんで出てきたため、若干ですが、コーヒー豆の重さは減少すると考えられます

 

《砂糖について》

問 はじめは小さな粒であった白砂糖が角砂糖になるとすれば、どのようなものがどの

  ような役割をしてくっついたのだと考えられますか

 

①白砂糖のみでは、さらさらしていて砂糖の粒どうしがくっつきません。ガムシロップを入れた後で水分を蒸発させることにより角砂糖ができます。このことからガムシロップは互いの粒をくっつける接着剤のような役割をしたのだと考えられます

水を入れることでもつくることはできるかもしれませんが、水を入れると

水→砂糖水

と段階をふむため、かたまりにして成型する(角砂糖にする)際、困難だと考えられます

 

コーヒーと角砂糖について普段はあたりまえのように行なっている操作も考えてみると、なかなかおもしろいですね

       


これまで、化学(サイエンス・ラボラトリー)、生物(ホタル自生研究室)分野の理科教育プログラムはありましたが、これらは、主に理科への興味を引き出すものや環境問題を考えるものでした。

そこで、今年度からの「サイエンス・デー」では、10年後に必要とされる人材を育成することを目標に、ロボットのプログラミングを学習することになりました。

同時に「ロボット・物理クラブ」も誕生し、ロボカップジュニアへの出場と入賞を目指します!

それでは、5月8日(土)に1・2年生を対象に行われた「サイエンス・デー」の様子をご紹介いたします。

最初に、講師である北原達正先生(京都大学非常勤講師 宇宙物理学)の講義がありました。

北原先生は、「子供の理科離れをなくす会」の代表も務められていて、理科の普及に携わっている方でもあります。


 IMG_3999 
講師の北原先生です。

講義の中では、将来必ずロボットが必要とされる時代が来るという話や、世界40カ国が出場するロボカップジュニアのことも話されました。

その中で、『ロボカップの世界大会はマルチチーム(外国の出場者とチームを作る)での出場となるため、コミュニケーション能力が必要となる』ということ。

また、『ロボットのプログラミングは、言うなれば言語であるため、理系の人がやることではなく、むしろ文系の領域である』ということもおっしゃっていました。

これは、国語で文章を書いていくのと同じで、主人公(ロボット)の気持ちになって考えることが大切だということなのだそうです。

作文ができれば、プログラミングはできる!

ということです。

 IMG_3988 
真剣に聴いていますね。

そのため、プログラミングは、2人1組(コミュニケーション力をつけるため)で行いました。

パソコンの操作をし、プログラミングを行います。(ここで用いる言葉は、C言語です)

 DSC_6427

  プログラムが終わったら、コードでロボットとパソコンをつなぎます

 DSC_5383ガジェット 
これがロボットです。

②黒いスライドスイッチを右に押し、緑色のランプを点滅させます

③「M」をクリックすると「L50 R50」と出てきます

Lは左足、Rは右足を、50はそれぞれのパワーを表します

④どれくらい進むかは、砂時計で表わされます。このときは3.5秒でした

⑤「M」をクリックして、矢印を逆向きにすると「-L50 -R50」になります

 ※「-」は、「バック」を表します

⑥また、パワーを「L-50 R50」にすると、左足をさげて、右足を出すという指令になります

つまり、これはターンを表します

⑦「M」をクリックすると「ストップ」になります

 ※この「ストップ」は文章の「。(句点)」や「.(ピリオド)」にあたります

(※簡単に言うと、前進○秒間⇒右に回転△秒間⇒前進◇秒間⇒ストップなどの指令をつくるということです)

ここで、それぞれがプログラミングしたロボットがどのように動くのかを15秒間イメージしてみました。

すると、北原先生が

「実は、皆さんが頭の中でイメージしたものはウソです。」と一蹴しました。

どうしてかというと、

「皆さんはこのロボットが実際にどう動くかなんて一度もみていないのでわかるわけがないのです」

というのです。

 

『どう動くかな?』と考えている中で、疑問がわいたはず。

それが大切です。

この、『仮説』を立てて、実際にロボットを動かすことで『検証』していく。

自分が抱いたイメージとの違いを『考察』し、試行錯誤をして『修正』していくのです。

これは、こんな味とイメージして味付けをするけれど、失敗して、味のずれを直していく料理と同じだとのことでした。

そこで、プログラミングしたロボットがどのように動くかを見ていきました。

①「保存」を押すと、「上書きしますか」と出るので、「はい」を押します

②「ビルド」を押し、「ビルド実行」を押すとC言語が出てきます。「ビルド完了」を押します

③ロボットのリセットボタンを押します

④ダウンロードをします

⑤ロボットからコードを抜きます

⑥「リセットボタン」を押し、「スタート」を押します

すると、ロボットが動き出しました。

ここで、一気に歓声が上がりました。

 IMG_4021 

ここで、再び、北原先生がおっしゃるには、

「動きは予想と違っていましたし、ロボットの動きは1つひとつ違っています。

これは、私たち人間が1人ひとり違うのと同じです。

まっすぐ進まなかったロボットは、右か左に曲がったはずです。

なぜ、曲がるのでしょうか?

私たちの足は左右の性能は同じでしょうか?

違いますね。

目を閉じて歩けば必ず左右に曲がります。

これが現実です。

ゲームはボタン1つでまっすぐ進みます。

これは、架空の世界です。

現実の世界では、まっすぐ前に進ませるだけでとても大変なのです。

では、左足に大けがをしているときは、左足にパワーがあるのでしょうか、ないのでしょうか。

この場合、まっすぐ歩くにはどちらの足にパワーを加えるとよいのでしょうか?

曲がった方のパワーを5上げてみましょう。

どちらのパワーを上げればよいでしょうか。」

とのことでした。

ここで、ビギナーコースの課題が出ました。

課題:仮想の火星に降り立ったとして、宇宙ステーションにぴったり止めるプログラムを作ってください。

(※簡単に言うと、スタート地点が決まっていて、ゴールの枠内にぴったりとめなさいということです。)

IMG_3983 
ビギナーコースはこれです。

ちなみに、赤いのは、宇宙人のジェームズです。

彼は、行く手を阻んでいます。

ビギナーコースには、2つのコースがあります

まっすぐ進んでゴールに行くコース

途中のジェームズ(たこ)を避けてゴールに行くコース

※ただし、ゴールの枠から少しでも出てはいけません

課題を出されたところで、10分休憩をとりましたが、ほとんどの生徒が夢中で、休憩中もゲームをクリアーしようと懸命になっていました。

 スタートからゴールまでの距離を「これぐらい?」と手で測って、自分たちの席で「いけそうか」慎重に試してから、実際のコースでやってみる生徒。

ロボットをコースに持っていったものの、ボタンを押し間違えて動かないことに悔しがる生徒、などなど。

 IMG_4060
  IMG_4014

 IMG_4077 
うまくいくかな〜

 IMG_4076 
いけ!

 IMG_4078 
あ〜〜。残念!

 IMG_4093 
うまくいくかなー。

 IMG_4094 
よし!いけ!

 IMG_4095 
やったあ!!

 IMG_4074

そして、この「ビギナーコース」をクリアーしたグループは、

「赤外線を発するボールを転がす」

プログラミングに進みました。

与えられたヒントのみで、プログラミングをします。

細かい指示は出ません。

①「if(もし)」のボタンを使います

②「もし、○○くらいの力の赤外線に当ると、まっすぐ進む」

では、どうなるでしょうか

やってみましょう!

 DSC_6632

 このゲームには、1部のグループしか到達しませんでした。

このあと、ロボットでサッカーを行います。

これは、次回6月12日(土)に実施しますので、詳細は、次回のブログでお知らせします。

お楽しみに!


今年度最初の「サイエンス・ラボラトリー」が4/26(月)に行われました

今年度の1年生の約70%が受講しています

最初の授業ということで、まず以下の流れでラボは進められました

① 年間の流れと自己紹介

 DSC_5619 
今年からこのような受講章があります

② 気をつけること。実験に潜む危険なこと

  
  DSC_5616
  
フリップを使って、さまざまな意見を出しています

③ 実験器具の使い方

 〜駒込ピペットを使ってイクラ作り体験〜→実験の詳細は後半で紹介しています

 DSC_5664 
 
駒込ピペット使用上のポイントは、

 

1.薬指と小指で駒込ピペットをつかみ、落ちないようにする

2.駒込ピペットを逆さにしない

3.「ポタ、ポタ」と液体を落とせるようにする

4.親指を急に離さない

5.例えば5ml測りたい場合は、5ml以上とって、5mlの目盛りになるまで液体 を落としていく

 

④レポートの書き方

以上です

その後、ラボ自体の流れは、以下のとおりであることも確認しました

①実験背景(今日の実験をやる前に...

 〜仮説を立てる〜

②実験する

  〜仮説を確かめる〜

③考察する(レポートにて)

このあと、駒込ピペットの使い方をマスターし、いよいよ人工イクラを作りました!

 DSC_5659 
生徒の立てた仮説を表したイラスト①

 DSC_5660 
生徒の立てた仮説を表したイラスト②

生徒の立てた仮説はおおむね以下のとおりでした。

Q.どうやったら人工イクラを作れるか?

A1.ビーカーの中にスポイトで溶液をたらす

A2.イクラのもとになる液体を作り、膜になる液体にスポイトでたらす

このあと、「A1.」と「A2.」の違いについて確認し、実際に人工イクラを作りました

※「A1.」は「予想」で「A2.」が「仮説」です

「仮説」とは?〜予想との違い

実験背景(今日の実験をやる前に...)〜仮説を立てる〜

イクラを作るには?...

⇒予想:Aの溶液をBに入れればいい!

   (どうして?どういう風に?がない)

⇒仮説:Aの溶液をスプーンを使ってBの溶液に入れればいい!

   (スプーンで落とすときに液体は丸くなるから)

実験で大切なこと!〜仮説を確かめる〜

 ⇒よーーーーーーく観察すること!!

 ⇒微妙な変化をとらえられるかが科学の発展につながります

 ⇒きちんと変化をノートに記しておく(班で協力、人間は忘れるもの)

いよいよ、人工イクラの作り方です!

①準備するものです!

 200mlビーカー、ガラス棒、駒込ピペット、100mlメスシリンダー、茶さじ、薬包紙、食紅、アルギン酸ナトリウム、塩化カルシウム

アルギン酸ナトリウムとは?

昆布などの海藻に含まれる多糖類の一種。おなかに優しい食物繊維の一種。つまり、海藻類のヌルヌルねばねばです

塩化カルシウムって?

自然環境に広く存在する毒性の少ない物質。雪を溶かすのにも使用されます

生徒は、2つの水溶液のうち、どちらにアルギン酸ナトリウム、塩化カルシウムが入っているかを知らされていません。さまざまな方法を試していきました

 DSC_5665 
どちらの液体に色を付けると良いのでしょうか?

どちらの液体をどちらに入れるのでしょうか?

②実験の手順の紹介です!

1.水50mlにアルギン酸ナトリウム0.5gをよく溶かし、食紅で色をつける

2.水100mlに塩化カルシウムを20g溶かす

→この時、水溶液が少し蒸発します

3.色づけしたアルギン酸ナトリウム水溶液を、塩化カルシウム水溶液に駒込ピペットで1滴ずつたらします

 DSC_5684 
ポイントは、「ポタ、ポタ......」

4.人工イクラのできあがり!

 DSC_5746 
本物そっくり!おいしそう!

天然イクラと人工イクラの違い

天然のイクラはたんぱく質でできていますが、人工イクラは多糖類(炭水化物)でできています。

たんぱく質の仲間は、肉や魚に多く含まれています。炭水化物の仲間には、米や芋に含まれるデンプンや植物を形作るセルロースなどがあります

5.できた人工イクラをすくい取って観察してみよう!

 DSC_5732 
まるでキャビアのようでなものもできました!

 

 DSC_5710 
いろいろな色を並べると、ビー玉のようにきれいです

 

※もっと本物そっくりに作るためには......

 ①イクラの目玉を油で作る

 ②内容物をゾル(ゼラチン)で作る

 ③膜をゲル(アルギン酸ナトリウム)で作る

最後に、レポートのまとめ方について確認し、今回のラボは終了しました。

③考察する(レポートにて)

レポートの形式

0.表紙

1.目的

2.原理

3.実験方法

4.実験結果

5.考察

6.参考文献

  (著者名、書名、出版年月、出版社、参照ページ